∵SPECIAL INTERVIEW
イ・ジェファンさん 2009年6月12日インタビュー
Q―歌手になるのが夢だったそうですが、日本という海外でデビューすることになったお気持ちは?
★幸いにもよいチェンスとよいスタッフに恵まれ、日本で歌手デビューすることになりました。準備を始めた頃は、期待で胸がいっぱいだったのですが、デビューする日が近づくにつれて不安が募り、心配のほうが大きくなってきました(笑)。でも、こうして夢が叶ったわけですから、あとは頑張るのみだと思っています。
明日は、新宿のインストアライブがあるのですが、人前で歌を披露するのは初めてなので、今からとても緊張しています。
Q―日本語は勉強しているのですか?
★歌の発音練習はどのように?
少し前から日本語を習い始めました。
ドラマで一時中断していましたが、また本格的に始めようと思っています。これまで日本のドラマや映画が好きでよく観ていたので、なんとなく聞き慣れてはいたんです。レコーディングの時は、発音で気になる個所をひとつひとつ指摘してもらい、地道にやっていきました。
Q―日本のドラマではどんな作品を観ましたか?
★「世界の中心で愛を叫ぶ」や「百夜行。除隊してからですから、2006年頃からですね。インターネットで検索して面白そうなものをピクアップしたり、周りから聞いたものなどをいろいろ観ています。
Q―アルバム収録曲がすべてバラードですが、もともと好きなジャンルですか?
★そうですね。バラードはけっこう好きです。ただ、普段は限定せず、いろんなジャンルを聞いています。
Q―オフコースの「yes no」を自ら訳詩したそうですが、小田和正さんに思い入れは?
★アルバムの中に1曲は日本の曲のリメイクを入れたかったんですね。それでスタッフの方からいくつか推薦してもらいました。その中でもこの曲をやってみたい!という気持ちになったのが「yes no」だったんです。何よりも小田和正さんの美しい高音がとても気に入りました。でも元歌がすばらしいので、レコーディングはとても大変でしたよ。ちょっと欲張ったチョイスでした(笑)。
Q―さて、KNTVでは5月から『妻の誘惑』が放送されています。シン・エリ、ミン・ソイ、ク・ウンジェなど、女優さんたちは感情の激しい演技を強いられるドラマですが、そのなかでのゴヌというキャラクターは?
★僕が演じたゴヌは、穏やかなとても優しい男性ですね。ですがこのドラマでは、その優しさゆえに、周囲によくない影響が出る、ということも伝えています。
Q―出演を決めたきっかけは?
★以前、『ただいま恋愛中』というドラマでクォン・サンウさんやソ・ジソブさんたちと出演したことがあるのですが、その作品の演出をされたオ・セガン監督との縁で、オファーが入りました。監督からのリクエストですし、「どんなことでも引き受けます」と、あらすじも何も見ずに決めました。
Q―7時台のイルイルドラマで40%とは、予想外の大ヒットですね。最初は、どんなドラマになってくれればと思っていましたか?
★もちろん、うまくいってほしいなと思いましたし、期待もしていました。ですが、これほどにもすごいことになるとは夢にも思っていなかったです。多くの方が観てくれるので、その分、もっとうまく演じなくては、というプレッシャーにもなりました。回を重ねるごとに視聴率が上がっていったので、数字を聞く度に驚いていたのを思い出します。
Q―台本を読んでみた感想は?
★このドラマは台本が出るのがとても早くて、撮影に入るときにはすでに30話まで出ていました。刺激的な内容も多いので、ある程度視聴者の関心を引くことはできるだろうと思いました。でもその後の展開を知ってしまうと、後のことまで考えて計算しながら演技してしまうので、あえて見ないようにしていました。
Q―極端なセリフも印象的なドラマですね。
なかでもゴヌのセリフって、鳥肌が立つような(笑)、照れくさいセリフが多くないですか?
★「愛という感情は、交通事故に遭うように突然芽生えるんだ」とか、「真夏に雪が降るように、真冬に花が咲くように…」とか。覚えるのも一苦労だし、演技しながらも「自分では絶対使わないよな~」と思っていました。
Q―でも、一度ぐらい実生活で使ってみようとか(笑)、そんなことは思いませんでしたか?
★ないです! いや、そういうことを言う男性が好きな人ももちろんいるんでしょうけど……。僕はなんだかくすぐったくてダメですね(笑)。
Q―視聴者の反応もかなり大きかったそうですね。
★そうですね、ドラマホームページの掲示板の書き込みもすごかったんですよ。僕もよくチェックしていました。でも、ある瞬間から見なくなりました。なぜなら、ゴヌが優しすぎるせいでウンジェの復讐の邪魔になり、ウンジェを応援している視聴者をイライラさせてしまったんです(笑)。いつもウンジェの側で「そんなのよせ~」と復讐をけん制する役でしたからね。視聴者の直接的な反応は、良くも悪くも精神面への影響が大きいので、あえて見ないようにしたんです(笑)。もちろん、いい評価も、そうでない評価も、それらはすべてドラマに対する愛着や関心という意味なので、とてもありがたいですよ。
Q―チャン・ソヒさんとキム・ソヒョンさんは、激しい演技対決を繰り広げ話題になりましたが、実際はどんな女性ですか?
★ふたりとも、とても優しい方です! 撮影現場は毎日とても楽しかったですよ。演技では、大声を出したり怒鳴り合ったりと激しい場面が多かったのですが、もちろんそれは演技の世界であって、カメラの前を離れればみな元の素顔に戻ります。ただ、おふたりとも撮影はとても大変だったと思いますね。特にシン・エリ役を演じたキム・ソヒョンさんは、ほとんどのシーンで激しい演技を強いられるので、ストレスも大きかったと思います。僕もたまに声を荒げるシーンがありましたが、それだけでも辛かったですから……。
Q―ゴヌはウンジェの復讐を複雑な思いで見守りますが、ジェファンさんだったら、壮絶な過去をもつウンジェの傷を癒す一番の方法は何だったと思いますか?
★僕が考える本当の復讐は……彼女が心から幸せになることではないでしょうか。確かに相手を懲らしめることで、ある程度恨みを晴らすことはできるでしょう。でも僕は辛い過去を忘れるぐらい、堂々と、幸せに生きている姿を相手に見せ付けてやるのが、最大の復讐になると思うんです。だから、そんな女性がそばにいたら、彼女を心底幸せにしてあげたいです。
Q―視聴率40%という、社会現象まで巻き起こした作品に出られたわけですが、ご自身にとって、『妻の誘惑』はどんなドラマになりましたか?
★イ・ジェファンという俳優を、多くの方に知ってもらう良い機会になりました。これまでも人気を呼んだ作品に出たこともありましたが、社会現象にまでなった作品はなかったですからね。その分、記憶に残る作品になると思います。
Q―今後、挑戦してみたい役は?
★やりたい役はとても多いです。デビューして10年になりますが、途中で軍隊に行ったり休んでいた時期もあるので、経歴に比べるとまだそれほど多くの作品には出ていないんです。ですので、どの役というよりは、いろんなことに挑戦しながら、自分に合うものを少しずつ探していきたいですね。
※2009年8月号KNガイドから別掲 |